![]() | 戦鬼 ―イクサオニ― 川口 士 (2006/09/20) 富士見書房 この商品の詳細を見る |
富士見ファンタジアでは4年ぶりの大賞受賞作品だそうです。
結構きつめに書いてます。好きな方は注意。
<あらすじ>
白み始めた空に咆哮が響き渡る。突如として邑を襲った狗の群れは、一匹の犬の妖――怪物に統率されていた。
彼らの狙いは神器と呼ばれる神々の宝具。巫女の少女梓も狗の牙にかかろうとしていたが、間一髪で彼女を助けたのは、処刑されるために邑に囚われていた鬼・温羅(うら)だった。
「――お前……あのときの犬か?」
その妖は、仇の片割れ。
家族や、仲間、穏やかで平和な日々を一夜にして崩壊させたあの男の従者。
温羅は地を蹴って、妖に襲い掛かる。
神話と歴史が未分化な、混沌とした時代。
温羅の復讐の旅が、はじまる。
第18回ファンタジア長編小説大賞受賞作。
</あらすじ>
正直に言います。大賞と聞く割にはあんまり楽しめませんでした。
購入動機は「久々の大賞」「和モノ」「しかも鬼と巫女」。ほほう、面白そうじゃないか。
しかし、実際はちょっと迷いました。問題は表紙。面白そうなオーラを放っていない。これ結構問題。
個人的に「鬼」のデザインが好きになれず、構図的に顔顔顔というのがどうも嬉しくなかったようです。バランス悪そうに見えたんですよね。着てる鎧と頭がどうもつりあっていなくてこう、グッと来なかったんです。抱えてる巫女は可愛かったんですけどねハアハア。めくった口絵も顔しかなく情景をまるで表してなくてただ顔だけでうわああああという感想しか抱けず……。桃太郎(作中では桃生/ももう)のデザインとか死にたくなったよ……。
な ぜ は だ け る
みたいな。(設定からしておかしいのではないのでしょうか……)
でも読んでみたいという気持ちが勝り購入に至ったわけです。
で、内容ですが……一読目は挿絵に色々気持ちを抜かれて上手く楽しめなかったです。こんなのあんまりなかったなあ……。
次になるべくそういう萎えを排除して再読つもりですが、キャラクターがちょっと薄いというか……。スタンダートで、可も不可もなく、みたいな。みんなツボをつくキャラクターのはずだったのですが、いまいち空々しい感じがしてしまいました。心理描写が薄いのかなあ。のめりこめなかったのかな。もちょっと字数があればイロイロ書けたんではないかなと思ってしまう、詰め込んでる感アリ。巫女と鬼という涎でまくりカプがあるのはウマーでした。シリーズになったら買うよ。ハアハア。
最初は戦闘シーンがくどいかなと思ったのですが、上手くのめりこめればわりとテンポがよかったです。秀逸とまでは言えない印象でしたが……やっぱり可もなく不可もなく。
まあ一読目は、早く読んでしまいたい一心でガンガン読み飛ばしていた私が悪かったかもしれませんけどね。でも、読み飛ばしちゃうってのは大概引き込まれていない場合が多いのですが。
それにしても温羅と梓はかわいかった。設定や関係はウマーなので今後も見て見たいと思いましたよ。絵は変えてほしいけど無理ですかね……。和モノとしては(あまり詳しくはないんですが)イザナミが出てきたり敵キャラが桃太郎伝説をいじってたり、出雲平定が出てたり、そういう面では結構面白かった、かな。神具で鬼を拘束する設定は西遊記を思い出して好きでした。拗ねる梓たんちょうかわいい。
かなりアレンジしているとはいえ、そういった和モノ要素が強いのに、絵柄が全くそのイメージに合っていないのが非常に残念でした。失礼かもしれませんが、作品をちゃんと読んでから描いたのかなあなんて思ってしまう世界観のギャップがあります(特にリバーシブル。なんだあれ)。このギャップが、私個人として作品を上手く楽しませてくれない要因と言っても良いかもしれません。なんというか、あの鎧は酷すぎるような気がします。つうか、出雲平定のあたりの時代設定にあの衣装はないよね。役人あんな衣装じゃないよね。
あ、絵師批判になってしまった(反省)。
面白ければそれでいいじゃない、絵なんか気にしなければいいという考え方もなくはないですけど……やっぱりライトノベルでは絵柄も看板なわけで、絵からくる印象と内容の印象にギャップが出たらせっかくの面白みが減退する気がするんですよね。私個人として、ですが(デュアンサークの絵師交代がいい例。最近は上手くなってる気がしますけどね)。絵がこんなに気になるということは大して面白くなかったのかもしれませんけど。
結論。これ大賞っていうほどのモノですかね?という感じ。上手い具合に引き込まれないのが難点だったかな……絵のせいにしてましたが、絵だけの問題ではなさそうな気がしてきました。うううむ。
せっかくの和モノなのになあ……。うーん。次回に期待。




